最後の専用線王国・四日市付近

 

 

南四日市 (2008. 4)

 まずは南四日市の入換機三兄弟をご紹介。
 かつて文字通りの四方八方に専用線が分岐していた名残で、荷主とは別の
「山九」という会社が列車の運行を行っていた。そのため、入換機が工場では
なく駅に常駐、旅客ホームからその姿を見ることが出来た。
 大中小と3種が揃った『♪スイッチャ三兄弟』の集結する光景は微笑ましいが、
車齢は"末っ子"が最も高そうで、あまり元気がない様子であった。
 唯一現役で残っていたのは「JSR専用線」。長いこと、「いくら調べても略称
しか分からない、本当は何という会社なんだ?」と悩んでいたら、"大阪ガス"で
検索すると「該当ナシ」と返される(正しくは"瓦斯"だから)某株式市況サイトで
も「JSR」となっていることに気付いた。これが正式社名だったのか(苦笑)。
 昔の名称は「日本合成ゴム」、これなら手元の専用線資料にも載ってる!
 筆者が就職活動した頃は正式社名にアルファベットが使えなかった(「ジェイ
アール〇〇」なんていう社名はその名残)ので、近年しばしばまごつく。

 

 なお、南四日市までの貨物列車は撮影時から臨貨扱いで、いつまで続くか
心もとないと危ぶんでいたら、10年持ちこたえて2018年5月にお陀仏とのこと。
 常設展示のテキストを現在系から過去形に書き直す作業って侘しい。

 

 

四日市付近線路図

一部は既に廃止、または休止状態。2009年4月時点で線路が存在したものを記載

 北にコスモ石油専用線、東に旧四日市港駅へ続く長大な構内側線、南に
塩浜貨物駅への名無し支線を分岐する四日市は、最後の「専用線王国」と
称してよいだろう。橋桁を上昇させて船を通す可動橋、セメント専用列車など、
ここでしか見られなくなった光景も少なくない。
 このコーナーでは塩浜方面四日市港方面に分けて紹介する。

 

塩浜方面へ進む

塩浜駅の先に続く二つの専用線。右の石原産業専用線は2008年に運行を終了……
(2007. 4/2007. 5)

 

 

四日市港方面へ進む

日本最後の現役可動橋・末広橋梁。桁を上げる時はギロチンよろしくバランスウェイトが降りてくる。
(2009. 4  右端のみ2007.10 その間に再塗装が行われたようだ)

 

 

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