-撮影ウラばなし-

 

 このページに入るためには、説明も何もないのに「なんでこの写真だけクリッカブルなんやろ?」
という疑問を持つ必要がある訳だが、なぜそんな構成にしたかというと、写真にある程度感動など
してしまった人にとっては興ざめになるからである。最初は「最後のページ下部にでも付けようか」
と考え、いやいやせっかくノー・コピー(撮影データ以外に解説なし)でやってきたのがブチコワシ
になる、と考え直し、しかし長時間露光撮影などというものには苦労話がつきもので、撮影者として
は喋りたくってウズウズしている。で、これらを一息に解決しようとして思い付いたのが、この「隠
しページ」の手法なのであった。

 

 餘部駅での写真と同様、このシーンをわざわざ撮りにきたのではなくて、実は下を走る津軽線
列車を長時間露光で撮ろうと冬の夜更けにここへ降り立ったのである。結果は……いくら銀世界
でも光源がなくてはヘッドライトの「光跡」以外に何も写らず大失敗! そういえばゼロは何倍して
もゼロだったな、と失敗作を眺めながら文系人間らしい感慨に耽る羽目になった。
 線路上の雪が異様にツルピカなのは別に画質調整をやり過ぎた訳ではなくて、撮影の数日前に
極端な気温上昇があり、溶けた雪が再凍結したため。ホーム上にまったく雪がないのも、除雪の
成果というより溶けてしまったものと思われる。地平に降りる通路の方は線路上と同様にツルツル
の状態で、上り下りが非常に怖かったのを覚えている。
 それにしても、夜空に写った奇妙な光は何だろう? 架線があってソフトウェアでの修正は困難
なのでそのままにしておいた。

 

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