『狐狸庵対談 快女・快男・怪話』(文春文庫)より、阿川佐和子氏の発言
女の子が「龍之介さん(注。遠藤周作氏のご子息)いらっしゃいますか」と言うと、「少々お待ち下さい」と応えながら、相手に聞こえるように、「龍之介、龍之介ェーッ、えッ? おらんて言うのか? 悪いやないか。そうか」とか何とか一人芝居して、「もしもし、龍之介は留守をしております」って。
遠藤周作氏自身の反応からして、どうやら実話らしい。もっとも、携帯電話世代の若者にはピンとこない逸話であろう。
阿川佐和子といえば、大学生のとき"瞬間湯沸かし器"の父親に裸足のまま玄関から追い出され(押し出され)たエピソードなどが同じ本に紹介されている。偶然にも窓を開けてあった2階の自室へ外からよじ登ってを鞄と財布を持ち出し、靴だけはどうにもならぬため裸足で電車に乗り(そのまま渋谷駅構内を歩いたそうな!)、友人宅へ転がり込んだとか。
かくして脱線読書はなかなか終わらない。
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