椿を通過する283系オーシャンアロー編成

2014.11

 列車名は登場時より「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」→「オーシャンアロー」→
「くろしお」……やる気がなくなった分だけ列車名がまともになるのはJR各社の共通点。
 入線してくる列車を撮って、それに乗って椿を離れる……ということが多かったせいか、
この構図はあまり残していない。普通車は内外装とも「色が違うだけ」なのにがっかりした
「スーパーくろしお」と違い、完全な新製車で普通車は随分とグレードが上がったのに、あ
まり大喜びした記憶がなく、新宮-串本と天王寺-新大阪(乗継割引)で乗っただけ、という
状況が何年か続いた。
 集電性能に問題があるとかで、381系が消えて間もなく引退の噂が出始めた。
 かつては島式ホームの屋根下に行灯式の時計や作り付けの椅子があったのに、この時には
何もなくなっている。

 

 

引退を前に初めて紀勢西線を新宮まで南下した24系トワイライト編成

 この日のお目当ては、これ。24系トワイライト編成が引退を前に初めて新宮まで入るとい
うので、十何年ぶりかで団体臨時列車目当ての撮影行に出た。いつものフジクロームを装填
して2回ほど"出撃"し、最後の運転日は気象予報が思わしくなかったため見送るつもりだっ
たのが、前日になって「曇り時々晴れ」なんていうのに変わったもので、大慌てで出発準備
をし、既に入手が容易ではなくなっていたフジクロームは諦めフジカラーを装填して南へ向
かった……が、事前の週間予報の方が当たって、シトシト雨が止まずじまい。結果的にはリ
バーサルフィルムじゃなかったのが救いとなった(光量不足)。
 好天なら行こう、と飛び出したときに傘を持っている筈もない。
 屋根の下から撮れる場所……といえば、中学生の頃からお馴染みの"ここ"になる。
 こんな場所でも、後から撮影者が一人クルマで現れた。
「こんにちはぁ」
「こんにちはぁ、ご苦労様で~す」
「車で移動というのに椿を選択とは、なかなか(笑)」
「それはあなただって(笑)」
 妙な挨拶を交わしてから素性を訊いたら、あちらさんは白浜町在住とのこと。こちらの事
情も話したら、
「そりゃ地元民みたいなもんだ」
 やっぱり"ヨソモノ"には思いつかないか、雨だったらここで……というの。

 1990年以降、再び電気機関車(EF65PF)が入線するようになっていたのだけれど、確
認できた範囲ではすべて白浜までということから、少しばかり言及しておくに留める。

岩代付近 1990. 8

 

 

 

2014.11

椿に停車した最後の上り特急(1日1本にまで減っていた)。この日の列車からは誰も降りてこなかった。

2014.11